好きだよ。
ハァ…。 玖堂佑羽(くどう ゆば)は柵に寄りかかり、ぼんやりと飾り立てられたイルミネーションを眺めていた。 本当なら恋人と一緒に楽しむはずだったのに。 最初は小さな擦れ違いだった。 それを修復できないままズレは…
ハァ…。 玖堂佑羽(くどう ゆば)は柵に寄りかかり、ぼんやりと飾り立てられたイルミネーションを眺めていた。 本当なら恋人と一緒に楽しむはずだったのに。 最初は小さな擦れ違いだった。 それを修復できないままズレは…
「なんか彩先輩とこうしているのが、すごく不思議」 樫倉晟はそう言うと夜空を見上げた。 「どうしたの?急に」 海白彩は驚いて発言者を見つめる。 ベンチに座って二人で暖を取ろうと温かい缶飲料を口にしている時に、晟はふと…
晟(せい)とのツーショットをまざまざと見せ付けられてからも、いつもと変わりなく接していた実春(みはる)だったが、パーティでの彩(あや)の様子にある心配の種を撒いていた。 それは終了時には大きく花を咲かせ、いても立って…
「じゃあね、彩ちゃん。また今度……年明けかな?」 「そうね。初詣、一緒に行けたら行きましょ」 仲良しメンバーで過ごしたクリスマスパーティも終わり、晟や佑羽と四人揃って帰宅していた聖たちだったが、自宅へ向かう分岐路にさし…
素敵な仲間達と迎えたクリスマス。こうして一緒に集まってパーティをするのは初めてのことだったが、昔からのイベントのように違和感なく懐かしい気分で一時を過ごした。 帰宅の時刻となり一通りの片づけを終えると、晟(せい)は佑…
12月25日。 今日は前々から皆で約束をしていた日だ。今の仲良しメンバーで盛大なパーティをしようと。今年になってようやくそれが叶うということだ。 仲間の晴臣(はるおみ)の叔父が経営している飲食店を貸切にして、皆で準備をし…