イメージカラー
「先輩、バレンタインで俺が言ったこと覚えてる?」 この一言で、先輩の顔はみるみる内に赤くなった。 反応から覚えていることが予想できるが、どうしても彼女の口から言わせたくなる。 先輩は俺から視線を外し、躊躇いがちに口を開く…
「先輩、バレンタインで俺が言ったこと覚えてる?」 この一言で、先輩の顔はみるみる内に赤くなった。 反応から覚えていることが予想できるが、どうしても彼女の口から言わせたくなる。 先輩は俺から視線を外し、躊躇いがちに口を開く…
2月14日。 この日は朝から皆そわそわしてて、好きな子の行動をお互いに気にしてる。綿飴みたいに甘くてふわふわとした空気に包まれている感じが何だかいい。 それに、女の子がすっごくかわいく見えるんだよね。好きな人のために一生…
子供の頃から毎年もらっていたバレンタインのチョコレート。 お隣さんだからという、ただの義理チョコだった。 去年も、OBとして母校である高校の部室に顔を出した時、集まったメンバーたちと一緒に食べた。 テーブルの中央…
女顔というものは、性格によって「かわいがられる」か、「からかわれる」かに分かれると思う。 誰にでも笑顔を向け、人懐っこい性格ならば前者。僕はと言えば、明らかに後者の方だった。 幼い頃は、かわいいというだけでちやほやされる…
全身が痛い。 もう、指一本動かすことも出来ない。 意識が吹っ飛びそうになる中、先生の声が聞こえた──「逃げて」って。 逃げないよ。 暴力を受けることしか生きる価値がないと思っていた僕の考えを正してくれた先生。 そんな先生…
彼女は言った。「男が怖い」と。 次に「いなくなっちゃえばいいのに」と続けた。 そして最後に「ひどいこと言ってごめんなさい」と、俺に謝った。 言う相手が間違っていることも、そんな男ばかりでないこともわかっていると、彼女は言…
今日も雨が降っている。 憂鬱以外の感情の持ちようが無い僕は傘を開くと学校を後にした。 雨は、嫌いだ。 視線を地面に落とすようにして歩き出す。 そんな僕を擦り抜けて雨の中でも他の生徒達は賑やかな笑い声を振りまいて…
自室に入り、電気を付けようとした手が止まった。 淡白い月明かりが室内を照らしている。 いつもはそのまま電気を付けてしまうが、今日は何故だか月を見たくなった。 誘われるように薄明かりの中、窓まで辿り着くと開けて空を…
はあ~~~~。 放課後、教室に戻ると机に突っ伏すようにして大きな溜め息を吐いているクラスメイトに遭遇した。 「どうしたの?」 近付き、そう声を掛ける。 顔を上げた彼女が僕の顔を見上げると 「あ、聖くんか。ん…あの…
今の僕の現在最大の関心といえば当然かもしれないがバレンタインデーにある。 それはチョコがいくつ貰えるかという事よりも、特定の女性から頂戴出来るかという所に掛かっている。 今までなら義理であろうと誰かに貰えさえすれば…