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Len*Ren
流星に願いをのせて
「おはよ」 朝、家の前で彼は言った。私も笑顔を浮かべて挨拶を交わす。彼の隣に立つと、自然と手を差し伸べてくれ、私はそれに応えるようにして手をつないだ。 こうして一緒に登校できるのも、今日が最後だ。 そう思うと、胸に鉛が落ちたような感覚がした... -
Len*Ren
『願いの舟』
「智孝さん、次はあれに乗りませんか?」 船に乗りコインを泉に投げ入れるという恋人に人気の室内アトラクション、私はそれを指差した。 「スピーカーから聞こえてくる声に従ってコインを投げて下さいね」 乗物に乗り込んだ私達に、係員がそう注意を促しな... -
Len*Ren
待ち合わせ
ベンチに座ってぼんやりと冬の装いを纏(まと)っている人々の往来を見ていた。 待ち合わせ時刻を5分ほど過ぎている。 広場に立つ時計を見上げ辺りを見回す、という何度目かの行動をして私は携帯電話を取り出した。 別に彼にかけようというのではなく、た... -
Short Short
麗らかな恋の花
春。 桜が咲き始めた頃、私は学校を卒業した。 卒業式も無事に終わり、学校生活最後を名残惜しむようにして、卒業生達は校舎やら校庭やらに集まっていた。 先生方に挨拶を済ませた私は、特に用はないと生徒達の間をくぐり抜け門を出る。 「志奈(しな)ー!...