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Len*Ren
今年こそチョコが欲しい!
今の僕の現在最大の関心といえば当然かもしれないがバレンタインデーにある。 それはチョコがいくつ貰えるかという事よりも、特定の女性から頂戴出来るかという所に掛かっている。 今までなら義理であろうと誰かに貰えさえすれば良かった。 けれども... -
Len*Ren
あなたに逢いたい
闇に包まれ始めた風景の中、女性が一人ベンチに腰掛けている。受験勉強の息抜きに近所の公園へと出向いた海白彩だ。 子供が遊ぶには遅い時間帯のため、ここにいるのは彼女一人だけだった。 ふう、と空を見上げると雲の切れ目から月が姿を現す。 綺... -
Len*Ren
大切なこと
ノートに鉛筆を走らせていた玖堂は一区切り付いた所で息をひとつ吐き、うんっと伸びをした。そのままの姿勢で時計を見上げると下校時刻はとうに過ぎている。 驚いて窓の外を見ると辺りは薄闇に包まれていた。 「(根(こん)をつめていたわけじゃないん... -
Len*Ren
ねがいごと
「いつも私ばかりが会いたがってるから、諫美くんはどうなのかなって」 桜が舞う風景の中でぽつりと有羽が呟く。 満開を少し過ぎてしまったが桜の花見をしようと近所の公園に二人で来ていた。 青空に桜と散り行く花びらが映えてなかなかに素敵な風景だ... -
Len*Ren
好きだよ。
ハァ…。 玖堂有羽(くどう ゆば)は柵に寄りかかり、ぼんやりと飾り立てられたイルミネーションを眺めていた。 本当なら恋人と一緒に楽しむはずだったのに。 最初は小さな擦れ違いだった。 それを修復できないままズレは大きくなり、喧嘩にまで発展... -
Len*Ren
あなたとこの空の下
「はい、智孝さん」 箸で挟んだ卵焼きを彼の口元に運ぶと男性はそれを当たり前のようにパクリと食べる。 「おいしい?」 「ああ」 智孝は笑顔で頷き、その表情を受けて彩の微笑みも輝きが増した。 恋人達はデートの昼食場所として有名かつ広大な公園... -
Len*Ren
いつも。いつまでも。
穏やかな昼下がり。 野田実春はソファに座ってまどろんでいた。 と、スリッパの音がして声が聞こえてくる。 「遅くなってごめんなさい…。あら、実春くん。寝ているの?」 何となく起きて返事をするのもかったるかった彼は、そのまま目を閉じていた... -
Len*Ren
聖なる夜に
「なんか彩先輩とこうしているのが、すごく不思議」 樫倉のことが好きだったんじゃないの?」「……うん。先輩に出会ってなければ、多分有羽に告白してたと思う」 彼は隣りにいる恋人に巡り会う前の出来事に思いを馳せた。 気になる女の子がいた。 同じ... -
Len*Ren
切望の風景
沈みゆく夕陽が人々の列を紅(あか)く染め上げていく。 その中に海白彩と伊藤智孝もいて、緩やかな太陽光に照らし出された彼女の表情は心なしか憂いを帯びているようにも見えた。 列の先頭には、この遊園地の呼び物である巨大観覧車がそびえ立って... -
Len*Ren
ヒナ・マツリ
「ねえ、彩先輩。先輩の家はお雛様とか出すの?」 海白彩は樫倉晟の誘いを受けて、彼の部屋へ遊びに来ていた。 クッションの上に座っている彼女の隣りに腰を下ろした晟はそう質問すると、彩は微笑んで「もちろん」と答えた。 「じゃあ…ひし餅とか、あと白...