伊藤智孝– tag –
-
Len*Ren
理性と欲望の天秤3
それは数時間経った今も変わらずにいた。その間に後片付けをしようが、風呂に入ろうが、気持ちはさっぱりしない。悶々とした気持ちを抱え、智孝はベッドの上に寝転がった。うまく整理できない頭の中とは正反対に、体はベッドに沈んだままだ。月明かりで浮... -
Len*Ren
理性と欲望の天秤2
「ねえ、私がお邪魔だったら、外に出てくけど?」 事情を知っている人のこの発言は、智孝と有羽を赤面させるには充分だった。有羽はそれにプラス、手を左右に勢いよく振っている。 「いや、そんな必要ないから! っていうより、里美がいないと困るし」「... -
Len*Ren
理性と欲望の天秤
家の留守を丸一日預かる。 そういったことは、家族と暮らしていてたまに起こることだろう。それは伊藤智孝(いとうともたか)にも言えたことであり、彼は妹と二人で二日間を過ごすことになった。 しかしこの妹、兄に家事をやらせるどころか、揉め事の種を蒔... -
Len*Ren
はちみつの時間―スローペース―
最悪だ。いつものバカみたいな元気が、どうしてこういう時に限ってなくなってしまうんだろう。玖堂()はぼーっとする頭でそんなことを思った。 今日は共通の知り合いたちと来たスキー旅行の初日である。恋人である智孝()に、筋肉痛を起こすまでスキーを教わ... -
Len*Ren
25cm
いつの間にか恒例となっていたお隣さん同士での花見。初めの頃はお弁当を作ってと、本格的なものであったが、次第に互いの都合がつかなくなり、夜の散歩がてらにという気軽なものへと変わっていった。そして、それに参加するメンバーにも変化が伴う。特に... -
Len*Ren
愛しき人
子供の頃から毎年もらっていたバレンタインのチョコレート。 お隣さんだからという、ただの義理チョコだった。 去年も、OBとして母校である高校の部室に顔を出した時、集まったメンバーたちと一緒に食べた。 テーブルの中央に、徳用物のように山盛りに積... -
ONE SCENE STORY
劣等感ていうのは、自分だけが感じるものなんだよ
私は、自分の中に流れる女の血が嫌いだった。男に溺れた母親のようにはなるまいと、必死で自分の中の女を排除してきた。感情の赴くままに動かず、女だからと甘えず、男にバカにされないよう対等に渡り歩こうと生きてきた。だから必死で勉強をした。努力を... -
ONE SCENE STORY
言う相手が間違ってても。言える場所があるって大事なことだよ。
彼女は言った。「男が怖い」と。次に「いなくなっちゃえばいいのに」と続けた。そして最後に「ひどいこと言ってごめんなさい」と、俺に謝った。 言う相手が間違っていることも、そんな男ばかりでないこともわかっていると、彼女は言った。でも、どうしても... -
Chapter 1
17.「流天か?」|智孝
-
Chapter 1
14.なんというか、出来過ぎてるね|智孝
12