玖堂有羽– tag –
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Chapter 1
06.泣いてる場合じゃない。何とかしなきゃ。|有羽
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Chapter 1
03.不安なのかもね|有羽
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Len*Ren
好きだよ。
ハァ…。 玖堂有羽(くどう ゆば)は柵に寄りかかり、ぼんやりと飾り立てられたイルミネーションを眺めていた。 本当なら恋人と一緒に楽しむはずだったのに。 最初は小さな擦れ違いだった。 それを修復できないままズレは大きくなり、喧嘩にまで発展... -
Len*Ren
3月14日
三月も半ばとは云え、まだ春には遠い気温が続く。「(昨日は暖かかったんだがな)」伊藤智孝(いとう ともたか)は公園のベンチに座りながら空を見上げる。重く垂れ込めた雲は今にも降りだしそうな雰囲気を醸(かも)し出していた。降らなきゃいいが、と... -
Len*Ren
はちみつの時間―甘い言葉を囁かれて―
学校も休みである日曜日、有羽は晟の部屋へと遊びに来ていた。と言っても、お互いにやらなければいけない課題を黙々と進めていたのだが。 自分の分は終わったと背伸びをする有羽は、ノートを見て難しい顔をしている晟に後ろから抱きつき声をかけた。 「晟... -
Len*Ren
2月14日
玖堂有羽(くどう ゆば)は学校の門の壁に寄りかかりながら、自分の吐く白い息が空中に霧散(むさん)していく様子を眺めていた。 「(子供の時は吐く息の大きさを競っていたっけ)」 懐かしくなって実行しようと大きく息を吸い込む。しかし冷気が肺の中... -
Len*Ren
ホットチョコのように。
「はい。どうぞ」 にこりと笑いながら有羽は言った。手にしているカップからは、ゆらゆらとホットチョコレートの湯気がたっている。 晟はお礼を述べてひと口飲む。 ほどよい甘さと、寒空の下にはありがたい温かさに自然と顔がほころんだ。 「どう?」... -
Len*Ren
陽だまり
ガチャリ。コンビニの袋を手にした部屋の持ち主が扉を開くと、中にいる人物に向かって声を掛けた。「悪い、遅くなった」返事が無いので怪訝に思い部屋を見渡すと玖堂有羽(くどう ゆば)がベッドの上で横になって寝ている。待ちくたびれて布団の上でゴロ... -
Len*Ren
流星に願いをのせて
「おはよ」 朝、家の前で彼は言った。私も笑顔を浮かべて挨拶を交わす。彼の隣に立つと、自然と手を差し伸べてくれ、私はそれに応えるようにして手をつないだ。 こうして一緒に登校できるのも、今日が最後だ。 そう思うと、胸に鉛が落ちたような感覚がした... -
Len*Ren
きっかけの雨
あの人との距離が縮まるきっかけは、いつも雨だった。 初めての会話、初めての一緒の下校、そしてお互い名前で呼び合うようになった時も雨が降っていた。 小雨というよりは強い降り方の雨に、私は昇降口で空を見上げて息を一つ吐いた。まだ降り始めて...
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