神谷聖– tag –
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ONE SCENE STORY
僕の世界(とびら)を開く鍵
女顔というものは、性格によって「かわいがられる」か、「からかわれる」かに分かれると思う。誰にでも笑顔を向け、人懐っこい性格ならば前者。僕はと言えば、明らかに後者の方だった。 幼い頃は、かわいいというだけでちやほやされる。だけど小学生ともな... -
ONE SCENE STORY
死にたいんじゃない。死んでもいいから守りたいんだ。
全身が痛い。 もう、指一本動かすことも出来ない。 意識が吹っ飛びそうになる中、先生の声が聞こえた──「逃げて」って。 逃げないよ。 暴力を受けることしか生きる価値がないと思っていた僕の考えを正してくれた先生。 そんな先生を置いて逃げたら、きっと... -
ONE SCENE STORY
いじめられるのは「弱いから」じゃないよ
初めは、聞き間違いかと思った。 でも、彼女ははっきりと言った。 「いじめられるのは、弱いからじゃないよ」 どういう意味なのか? と眉間に皺を寄せる。 「立場的にとか、肉体的にっていうのはあるけど、本当は強くて優しい人だからだよ」 ますます言っ... -
Chapter 1
12.ですよね? 先生|聖
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Chapter 1
09.ナンパじゃないよ|聖
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Len*Ren
紫陽花(あじさい)
長雨の続くこの季節になると思い出すことがある。 今年卒業してしまった先輩との会話。 本当に小さなことで、多分先輩も覚えていないだろう。それくらい、些細な内容だった。でも僕には忘れられない、大切な想い出だ。 あれは去年の梅雨。 いつもの... -
Len*Ren
紆余曲折
いつの頃からだろう。あの人を好きになり始めたのは。有り得ない夢を見ては溜め息を吐(つ)く、そんな行動がいつしか習慣のようになってしまった。彼には付き合っている女性がいる。それが親友ともなれば自分の想いを伝えることが出来ないのは仕方がない... -
Len*Ren
平行線
くらりと身体が揺れた。自らの頭を軽く押さえて神谷聖(かみや ひじり)は机に手を置く。 「大丈夫?聖くん」 優しい女性の声が彼に掛かる。聖は椅子に腰を降ろしながら大丈夫だと答えた。 「ちょっと熱っぽいだけだから」 しばらく休めば治るだろう、そ... -
Len*Ren
強引|Sakon’s side
互いの息遣いが聞こえてきそうな程の至近距離。 目前に愛しい人の瞳があった。 まるで時間が止まってしまったような感覚に襲われて、身動きが取れない。 上手く呼吸が出来ない中で視界の隅に見える、曇っている空模様が心を写し出しているような気がした。... -
Len*Ren
ささくれ
最初はただの“親友とよく話す女の子”だった。 いつからだろう。君が、胸に引っかかるようになったのは─── ささくれ 「うーん、これどう考えても時間がないなぁ。どうしよう……晟(せい)にお願いしてみようかな?」 玖堂有羽(くどう ゆば)は書類と...
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