ある日、私の元に一通のメールが届いた。
それは小説執筆ツール「Nola」の紹介記事の依頼だった。
そう。今回(2018/06/26)から一ヶ月利用してみた感想を記事にしていく、こちらのツールのことです。
普通、利用した感想記事となると、第一発目は大体『登録の仕方』などの使い方やサイトの紹介です。
ですが私は、最も大事とする部分のお話をさせて頂きます。
それが、まずツールを使ってもらうために必要な『引っかかり』──『ビジネスの話』です。
目次
私はクレーマーだ。だが、ただ文句を言うだけのクレーマーではない。相手の成長を思って指摘する良質なクレーマーなのだ。
基本的に私は、嫌だなと思う態度をとられていても怒ることは少なく、ただただ「そういう人なんだな」と思います。「残念な人だな」で終わる。
その人が嫌いかどうかと聞かれれば、嫌いという部類に入るかもしれませんが、私の「嫌い」はかなりの度合いなので(嫌いという感情すら抱かなくなる)、ちょっと苦手くらいに留まります。
そんな考えの持ち主なので、クレームの内容も「相手が嫌だから」ではありません。
むしろ、相手が嫌いでないからこそ指摘するのです。
相手に自分がなぜそう思ったのか?という理由も告げず、一人黙って相手への嫌悪感を募らせ、褒められることでもプリプリと怒るなんてことはしたくないのです。
これではただの変な人です。
しかも、相手は自分が傷ついていることも、なぜ怒っているのかも知らないことの方が多いです。
だから伝えればいいだけなんですね。
今回の話は、私が傷ついても怒ってもいませんが、クレーマーになりました。
というのも、いくつか私が「すげー」と思うことをその方がされたので、称賛の意味で指摘しました。
メールにあったお名前や文面から男性であると予想し、ならばと思ってしたことです。
ではここからは、男性のいいところを褒めつつ、『売り込む』際に最も必要なことをお話します。
男性は「納得のいく理由」があれば、感情に左右されることは少なく、また実行力(アプローチ力)が女性と比べて抜群に高い
私は人から嫌われることは怖くないけど、自分からアプローチするのは苦手です。
特に、顔が見えない媒体では0に近い。(SNSへのコメントは平気だけど、メールは苦手というか時間がかかる)
女性の性質のせいもありますが、やはり私は相手から来てもらえる方がいいです。
そこで、まずメールをくれたという勇気を称えたいと思いました。
内容を読む前から、なるべく応えたいと思ったのです。
ですが、その開発者さんにも告げましたが、そのメールを読んだだけでは正直紹介したいとは思いませんでした。
- ツールのメリットは書いてあった。
- 作家の方に実際につかってもらい、作家のために特化していた。
- 私も、そのツール自体は面白いとも思ったし、作家にとってはお役立ちなのだろうなとも思った。
それでも、でした。
小説もなんでもそうですが、やはりその商品・サービスそのものの魅力というよりも、それを作った「人」への思いが利用するかどうかを決めます。
小説ではまずタイトルが重要になりますが、その次も読んでもらうためには作家の魅力は欠かせない。
その世界観や言葉の使い方、文字に秘められた気付きは作家の個性または魅力そのものです。
それと同様、メールの文面から次の行動につないでもらうのは、その内容が左右します。
開発者さんの文面はとても丁寧だし、誠実さが伝わってきました。
ですが、もう一押しが足りなかった。
ツールのメリットやストーリーだけでは、『売り込み』としては足りません。
さらにそこから行動を起こす人(=購入者や利用者)にとって、どんないいこと(=感情の変化)が起こるのかをきちんと記しておかなければならないのです。
だから私は正直に告げました。
初めましてにも関わらず、厳しいことを指摘しました。
もちろん、この開発者さんならわかってくれるだろうと思ったことが一番ですが、男性というのは自分が納得できることを指摘されたら、どんなに厳しい意見だろうが感情に左右されず考えることをするからです。
なので私は「お断りする理由」と「こういう提案があるとよかったこと」を彼に送りました。
するとやっぱりこの方は考えてくれて、またも丁寧で誠実なお返事をくれたのです。
素敵だ。素敵すぎる。
すみません。ちょっと試してしまいました。
私が思うビジネスは相手とのコミュニケーションです。
(※仕事は自分とのコミュニケーションだと思っています)
なので、開発者の方はコミュニケーションがとれる方なのかを少し試す意味も実はありました。
もし、お返事がこなければ縁がなかったということで本当に紹介記事を書かないつもりでした。
一言でも返ってきたら(それがどんな内容でも)、紹介記事を書こうと思っていました。
でも、この方は私の指摘したことを真摯に受け止め、お礼の言葉と共に予想を上回るご提案もして下さいました。
さすが、作家さんと共に執筆ツールを開発されただけのことはあります。
- まず私の意見をただのクレームと捉えなかったこと
- 意見を聞き入れ、それを検証したこと
- 一度断られても諦めずに自分の作り出したものに自信をもっていたこと
- 私にとってもかなりプラスな提案をしてくれたこと
- これらをやはり丁寧な文章で綴られていたこと
私は国語の先生ではありません。正しい日本語の使い方などきちんと学んでいるわけでもありません。(言葉を知る・操ることは楽しいですが)
しかし、その人がどんな気持ちで文字を打っているかは、想像することができます。
そしてそれは、かなりの確率で同じです。
正しい日本語で書かれているから丁寧な文章であるとも言い切れませんし。
私を行動に移させたのは、やはりその人とのコミュケーションで感じた人柄に他なりません。
私も精一杯応えたいと思い、紹介記事一つではなく、これから実際に「Nola」を使わせて頂き、新作をプロットから公開・完結までの様子を記事にしていくことにしました。
とにかく私自身が楽しんで書きます。
こうして記事にもできたこと、滞っていた小説を再開できたこと、「Nola」という素晴らしいツールを教えてもらえたこと、それらは全てこの方がメールをくれたことから起きたことです。
やっぱりコミュニケーション(ビジネス)は面白くて楽しい。
素敵な出会いに感謝。
>>>次回は「Nola」にログイン(登録)についてです